甲状腺外来
甲状腺外来
甲状腺は首の中央、のどぼとけの下にある蝶々形をした、4-5cmほどの小さな臓器です。新陳代謝を調整するホルモンを分泌しています。「なにか調子が悪い」と訴え、病院で検査してもなかなか原因がわからず、当院で甲状腺のホルモンを調べてみると異常があるということがよくあります。
甲状腺の病気は、一般的に女性に多く、主な病気には
があります。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌している状態です。症状は、首が腫れる、動悸がする、汗をかきやすい、食欲があるのに体重が減ってきた、手が震えるなどです。
代表的な病気にバセドウ病があります。自己免疫性疾患の一つで、20〜30代の女性に多い病気です。治療法には、抗甲状腺薬を服用する内科的療法、放射線療法、手術療法があります。当院では内科的療法でホルモンの調整を行っておりますが、難治性の場合、必要に応じて伊藤病院等の専門病院へ紹介させていただいております。
甲状腺に炎症を起こし、甲状腺ホルモンが上昇し、バセドウ病と同様の症状が出ると伴に、発熱と痛みを伴った甲状腺の腫れが起きます。風邪をひいた後に起こることが多く、ウイルス感染が原因になっている可能性があると考えられています。炎症は数ヶ月で自然に炎症が治ってきますが、症状が強い場合には、熱や痛みに対してステロイドや抗炎症薬の投与、動悸に対してβブロッカーを投与したりします。
甲状腺ホルモンが低下している状態です。症状は、首が腫れる、疲れやすい、むくむ、体重増加、気力がでない、便秘、皮膚がかさかさするなどです。
代表的な病気に橋本病があります。自己免疫性疾患の一つで、30〜40代の女性に多い病気です。当初は甲状腺の腫れや硬いなどの症状のみで、甲状腺機能は正常のことが多いです。次第に甲状腺機能が低下し、症状が出てくることが多く、不定愁訴として、原因がなかなかわからないことも少なくありません。以前「甲状腺は異常ない」と言われた方も、その後甲状腺機能が低下していることもあり再検査することも必要です。橋本病を直接治療する方法はなく、甲状腺ホルモンが低下した場合に甲状腺ホルモンの内服をおこないます。
甲状腺にしこりを触れたり、検診の甲状腺エコーでしこりを指摘されたりします。多くの場合は良性ですが、一部に悪性のものもあります。当院では、甲状腺エコーを施行し、悪性が疑われるときには、その場で、穿刺吸引細胞診(細い注射針を刺し、注射器で細胞を吸って顕微鏡で調べる方法です)を施行し悪性の有無を診断します。悪性または悪性を疑う場合、必要に応じて伊藤病院等の専門病院へ紹介させていただいております。